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すぺしゃるの3

陛下の休日の3

「ミユ〜! ミユはおらんか〜(><)」
 廊下にリューさんの声が響き渡る。
「へ、・・・陛下! ミユ殿はもう・・・。」
 側近が、おろおろと声をかける。
「もう? もう、どうしたと言うのだ?! いいから、
ミユを呼べ!!」
「何事です? 兄上。ミユさんなら、もう勤務を終えて、
帰られましたよ?」
「見ろ! 小指にとげが刺さったのだっ! ミユに治療して
もらわねば!(><)」
「・・・ですから! ミユさんは、夜勤明けで・・・」
「い〜から呼べ〜〜〜!!(><)」


「・・・ほ〜ぅ? するって〜と、とげを抜かせる為だけに、
あたしの睡眠を奪ったわけぇ?!」
 台詞の最後は、1オクターブほど声が跳ね上がっている。
「ま、そういう事になるな(^^)」
 涼しい顔で言ってのけるリューさん。
 ・・・毒殺してやろうかしら、この男(−−) 剣呑な考えが
ミユの中に生まれる。
 それを見透かしたように、リューさんがこう言った。
「何せ、他の医者どもは、ここ(王宮勤務)が長い、いつ毒を
盛られるか、わかったもんじゃないからな。」
「・・・普通、逆でしょ〜? 新参者を、疑わない?」
「わが敵は、貴族達だ。この国の、管理体制そのものと、
言ってもいい。・・・悲しい事だが、新参者のほうがまだ、
信用できるのだ。それに・・・」
 言葉を切って、ミユの顔を見るリューさん。
「それに?」
 小首を傾げて、問い返すミユ。
「・・・いや、なんでもない。お前がスパイなら、とうの昔に
薬殺されているだろうしな。・・・ご苦労であった。」

「ほんとに、ご苦労だよ! もう、寝てるときに起こさないでね!!」
 捨て台詞を残して、帰っていくミユ。
 ・・・俺は、王様なんだがなぁ(^^; 苦笑を浮かべ、後姿を見送る
リューさん。
 治世一年の、終わりの事である。
胸に秘めた思いは、誰にも明かす事が、出来なかった。


ちゃんちゃん

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