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外伝

路上の9

「ゲオちゃんが、来てる?」
「えぇ、・・・私も目を疑いましたが、本人に間違いありません。」
「ん〜、・・・主を失った、ねぇ・・・」
「やはり、臭いですかね?」
「・・・そう? 俺は、この干物の匂い、好きだけど?」
と、リューさんは手に持っていた蛙の干物を振って見せた。
 ここは、城の厨房、しきたりによって、貴族や騎士どもが
近寄らないので、リューさんの、格好の遊びば・・・いや、
メッセンジャーとの連絡場所となっている。

 無邪気に干物を振って見せたリューさんは、(それは、
手のひらより大きいサイズの、蛙なのだが)その後肢をちぎり、
鍋に入れた後、前肢をちぎって、もぐもぐとしゃぶり始めた。

 ・・・(−−) こてこてのギャグと、その行動を見て、
話し相手は、気力が根こそぎ奪われるのを感じていた。
 まるで、リューさんが、古の邪悪な魔法使いのように、蛙と、
自分の魂を大鍋で煮込んでるような錯覚を覚える。

「・・・で、やつは、どこに隠したんだ?」
 その魔法使いの邪悪な声が、シャークを現実に引き戻す。
「・・・えぇ、どうやら、どこかの金持ちの家に、やっかいになって
いるようです。とりあえず、私の判断で、メッセンジャーの
制服を渡しておきました。」
「うん、まぁ、上出来だ。・・・連絡は取れるね?」
「えぇ、明日酒場で、会う予定です。」
「うん・・・、当面の目的は、こっちにとっても都合が良い。
手を貸してやってくれ。・・・おいらに、会いたいそぶりは?」
「いえ、今の所は・・・、それどころか、私に出会ったときも、
逃げようとしました。」
「むぅ〜、・・・芝居にしちゃ、手が込んでるなぁ」
「はい。・・・元々、実直を絵に描いた様な、男ですしね。」
「まぁねぇ。・・・でも、前回の酒盛りで、君が、悪印象を与えてるからなぁ」
「・・・あえて、つっこまさせて頂きますが、・・・彼を騙して喜んでたのは、
貴方です、陛下。」
む(-_-X)  「・・・リューさんと、呼べ〜〜〜><」

い、怒る場所は、そこですか(^^;


本編に続く


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