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<猫と雑記帳>

〜プロローグ〜

作者:仁奈様

我輩は猫である。
名前はまだ無い。
・・・と言いたいところだけど、
実のところ、「鈴(リン)」という名がある。
これは、ご主人様の名前から一字貰ったものだ。
でもさぁ、私はオスなんだよね。
ご主人様にはもうちょっと工夫して貰いたかったなって思うのさ。
え?どうして、猫なのに人間の言葉を話すことができるのかって?
それは、おいおい書いていくと思うよ。
私とご主人様は今まで、色々な冒険をして来たのさ。
色々と・・・ね・・・。
・・・っと、今日はこのぐらいまでかな、
ご主人様が来てしまったみたいだからね。
心配しなさんな、これからもご主人様の隙を見つけて書いていくからさ。
折角、こんな力を貰ったんだから、何かしないとね・・・
 
「コラッ!リン!私の雑記帳に何してるの!
あ〜あ、こんなに足跡付けちゃって、全く・・・」
「ご主人様、それならば、私にも「字」というものを教えてくださいよ。
きっと、ご主人様が書いているものよりずっと良い物を書いて見せますから。」
「な!あなた、猫の癖に少し生意気よ!言葉を話せるからって・・・むぅ・・・」
 
と、ご主人様は頬をぷーっと膨らませ、
私をこれからどうしてやろうか、と考えている。
人間ならば、こういう時は「嫌な予感がする」とでも言うのだろうか。
猫にも第六感というものがあって、
それは、こう囁く。
”謝るなら今のうちだぞ!”
 
「あの、ご主人様・・・えっと・・・その・・・」
「何よ。今更謝っても、遅いわよ。もう決めちゃったんだから。」
 
とご主人様は勝ち誇った顔をして、
 
「今晩のリンのご飯は抜きよ!」
「フ、フニャ〜〜〜ン」
「そんな時だけ、猫に戻ってもダメですからね。」
 
こうして、私達の一日は過ぎていく。
え?今、私達は何をしてるのかって?
心配しなさんな、ゆっくりと書いていくさ。
だけど、今日は知っての通り、夕食を抜かれてしまってね。
これ以上書いていく元気がないよ。
と、言う訳で、今日はこれまでさ。


「・・・おやすみなさい。」


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