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ハッシ 治世30年

5 後編


・・・え?鳥はどうしたかって? さあ、その事です。
大臣はすっかり鳥に同情してしまったので、彼女を、食べることが
出来ません。
次の日に会う約束をして分かれてしまいました。
もちろん次の日に鳥が会ってくれる筈はありません。
鳥は昨夜の内に、さっさと逃げ出してしまいました。
だって気が変わってお肉にされちゃたまりませんからね。
人間どころか鳥にまで騙され、すっかり落ち込んだ元大臣、
足元を見ながらとぼとぼと歩いてました。
すると、茂みの影に何かあるのに気が付きました。
昨日は鳥だけを見て走り回ったので気がつかなかったようです。
拾い上げてみると、それは、普通のものの10倍もあるような
大きな大きなたまごでした。
どうやら、昨日の鳥の物のようです。大きさから言って間違いないでしょう。

’これで、しばらくは食いつなげる’大臣は、ほっとしました。
ところがそこに、兵士の隊列が迫ってきたのです!
それは、戻ってこない大臣を探す為に、王様が作った捜索隊でした。
しかし、大臣にはそんな事は判りません。せっかく手に入れた食料を
横取りされないよう、しっかりと、抱きかかえ、兵士達を睨みつけました。

’大臣、探しましたよ! ・・・あ! それは!’
’やらんぞ!、おれのだ!><’
大臣はたまごを抱きかかえ、丸まってしまいました。
すっかり、だだっこモードです。兵士達は仕方が無いので、そのまま
大臣を担ぎ上げ、国に帰ることにしました。

さぁ、喜んだのは王様です、夢にまで見たドラゴンのたまごが、
目の前にあるのです!
え? 大臣がつかんでいたはず? そうです、大臣はし〜〜〜かり、
つかんでいたのですが、寝てしまった隙に、もぎ取られたのです。
哀れ、大臣はショックから、何も口にせず、ひざを抱えて部屋の隅に
うずくまっています。
これがあの、聡明といわれた大臣のなれの果てです。
栄華盛衰諸行無常ですね。・・・意味は判りませんが。

一方王様は、たまごがなかなか割れず、苦労していました。
普通のたまごよりずっと硬いのです。
とうとう根負けして、大臣に知恵を借りようと思いました。
王様が大臣の部屋を訪れると、ぼろぼろになった服を着て、痩せこけた
人物が部屋の隅でひざを抱えていました。
そう、これが大臣です。王様は、最初それが大臣だと気がつきませんでした。
でも、じっと見ていると確かに面影があります。
そのとき、王様はすべてを悟りました。
自分のわがままが大臣をこんな姿にしてしまったのです。
王様は、泣きました。ぽろぽろぽろぽろ、泣きました。

大臣は王様の弟だったからです。王様は自分のわがままで、
彼を傷つけたことを、酷く悔やみました。
そして、一生懸命、一生懸命、彼の看病をしたのです。
大臣は、やがてもとのように血色が良くなり、無事にお勤めできるように
なりました。
二人は仲良く国を治めたそうです。

どっとは・・・え? 竜ならぬ鳥の卵はどうしたかって?
その卵は無事かえって、雛は大切に育てられたそうです。よかったね(^^)

どっとはらい。

「ふにゃぁ?」
「あ! カーボ、帰ったのね^^ これはね、パパが書いてくれたお話だよ^^。」
「ニャー」
「題名がね、’童話’・・・だって、ひねり無いわよね−(−−)」
「に、・・・にゃぁ^^;」
「うふふ・・・、でもね、私の宝物なの^^ わかる? た・か・ら・も・の!」
「にゃぁ!」
「ふふ^^ ・・・ところで、どこ行ってたの? 何か面白いことでもあった?」
「! にゃぁにゃぁにゃ!」


次章に続く


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