直線上に配置

トップ物語

しーるねんだいき


おなか、ぺっこぺこ!

ずいぶん迷ったんだけど、何も持たずに旅に出た。
ボクの村は貧しくて、食べ物を持ち出すのは気が引けたんだ。
村の姿が消えないうちに、ボクのお腹は鳴り出した。
ボクも泣きたくなったけど、それでも歩いていったんだ。

目指したのはライム村。
村といっても、ずいぶんとにぎやかなところだ。
特に最近は、冒険者で賑わっているらしい。

木々の間を抜け、見晴らしのいい場所に出た。
遠くにミミル川が流れている。日の光を反射して
水面がキラキラ輝いていた。
見とれていたら、背後に気配を感じた。

・・・ヤ、ピヤピヤ
声が聞こえる、・・・バイルだ!
振り返った視線の先に、バイル’ぴよ’が見えた。
バイルの中でも、最弱といわれるバイル。
でもボクは、武器を何にも持っていない。

迷っているうちに、逃げられなくなった。
もう、戦うしかない><
ボクは、拳をグーにして、バイルに殴りかかっていった。

かじられつつ、必死で殴った。
ようやく倒したとき、新たに3匹の’ぴよ’が出た。
ボクは真っ青になった。
1匹でも必死だったのに、とても3匹なんて倒せない!><

このままバイルの、お昼ご飯になるしかないのか・・・、
村を出た自分の決意を呪いつつ、ボクはぎゅっと目を閉じた。
村に輝石を抱えて帰ろうなんて、甘すぎた。
きっとボクの骨を誰かが見つけて、後々まで語り継ぐに違いない。
村から出ると、こうなるぞって・・・。

グ、キュルルルルルル・・・・。僕のお腹が派手に鳴った。
噛ろうと寄ってきたバイルたちが、びっくりして動きをとめる。
ボクはきびすを返し、一目散に走り出した。
ボクのお腹はまだ死にたくないらしい。・・・ボクだって!

そうと決まれば、逃げるしかない!
苦労して倒したけど、バイルの輝石は、諦めるしかない。
とても残念だったけど、命のほうが大事だから><
僕はお腹を鳴らしつつ、ライム村へと駆け出していった。


END


プラモ&パズル まじっくへ

直線上に配置