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トゥーラ年代記

第2章

何でも屋

今では、おもな仕事は、預かり証の運搬及び、文書の配送だが、(著者注:
ご存知の方も多いとは思うが、一応、解説をしておく。この国では、商品や
取引用の資金を持ち歩く必要は無い、国が預かって、代わりに用立てて
くれるからだ。お金を預かり、預り証を発行、同時にメッセンジャーが、(お金を)
使用する町まで、預り証を運搬、本人は、身の回りのお金だけ持ってのんびり
旅が出来るって訳だ。万一、野盗に合っても大金を奪われる心配なし盗られる
金が、わずかなら命がけで抵抗する必要もなし!、だ。加えて、送り先に、
代理人または、支店のある商人なら、旅をする必要すらない。商品のほうも、
7日に1回の定期便で、確実に配送される。多数の護衛を雇う余裕の無い
商人にとって、これほどありがたい国も無い。多少の手数料で、安全が買えるなら
安いものである。もっとも、国そのものが、野盗だ、などとやっかみ半分の声も
あるには、あるが(苦笑))

 発足当初は、(メッセンジャーの存在が知られてない事もあって、)ほとんど
何でも屋状態だったな。
 昨日、筒を運んだと思ったら、今度は、出発した町まで、荷物を護衛、それが
済んだら、王宮に顔出せ! なんてな感じだった。(笑)
(著者注:王宮?、詰め所の事と思われる。現在、商品の輸送は、兵士と
騎士の、合同チームが担当している)

 俺たちが運んでるのは、ただの筒で、襲ってもしゃー無いってのに、よく
野盗に襲われたっけな。中には、届けたら書いてある金額が貰えると思って、
殺したメッセンジャーの代わりに、詰め所に顔出した間抜けもいたそうだ。(笑)
 もと、野盗たちを使うのに、そんなやり方しねえっつーの。俺たちは、月の最後に
その月の働きの分、銭を受け取るようになってんだ。

 ・・・もちろんそいつはとっつかまったさ。だが、死刑にはならなかったそうだ。
・・・かわいそうになあ。死刑になったほうがましだったろうよ、・・・散々、殺した
やつの仲間にいたぶられた上に、重要な書類を運んでる、って噂付きで、
採用されたばかりの、制服着せられて、放り出されたんだ。
 ほらこの、(と、自分の服をひっぱって)目立つやつさ。そろそろ騎士団領との境が、
きな臭くなってた頃でな。そいつは、国境に向けて、放されたって話しだ。

・・・え?、密偵の仕事?

・・・ああ、そうだな。そいつは・・・

(想像図)



次章に続く。


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