直線上に配置

トップ物語

トゥーラ年代記

第3章

ゼロからの出発 その2

「・・・悪いほう。」
「はい、・・・戴冠式の招待状ですが、返事の無い国がいくつかあります。」
「・・・、予想の範囲内ではないか?」
「出席しない、・・・との返事ならばその通りですが、返事が無いのは
まずいですね。こちらが使者を出さなかったと、言い逃れられます。」
「出した使者は?」
「ランカスター卿の手の者です。サボるとは、思えません。」
「返事の無い国は?」
「ラーダを除く、すべての騎士団領です。」
「・・・、ばればれじゃ無いか。」
「確かにそうですが、証拠はつかめないでしょう。」
「・・・、・・・、・・・もう1度送るってのは?」
「30点ですな、消息不明が落ちでしょう。」
「派手に街頭で騒ぎながらってのは?」
「道中、町ばかりでは無いですよ。」
「・・・、う〜、」

・・・人生は、八方ふさがり、四面楚歌・・・ってなもんだ。

 メッセンジャーの方も始めたばっかで、まだ役に立たないってのに。
・・・正確な情報が欲しいぜ(泣)


「・・・まずい方も聞きますか?」
「・・・いや、ちょっと、・・・う、・・・聞こう。」
「・・・、弟君の件ですが、」
「ミレルが、どうかしたのか?」
「・・・謀反の疑いがあります。」
「・・・。冗談を聞く気力は、無い。」
「より正確に申し上げるならば、よからぬ連中が、周りを取り巻いています。」
「・・・、担ぎ出されると?」
「その可能性もあります。」
「・・・取り巻きどもの、リストは手に入るのかな?」
「ご命令とあれば、・・・しかし、3日も経てば役に立たなくなります。
どんどん増えてますので。」
「・・・、とりあえず、・・・努力をしてくれ。」
「また、無茶を言う。私をいち”めて、楽しいですか?」
『ああとっても(^^)』・・・のど元まで出掛った台詞を、必死で飲み込む。
今度やったら、10分じゃ済まないだろう・・・。

 ミレル、・・・5歳年下の、腹違いの弟だ。4年前、先王の不興を買い、
死を賜りかけた私を、身を呈してかばってくれた。
 出来うるならば、争いたくは無いのだが・・・。

 所詮は、血塗られたこの手、・・・か。




次章に続く


プラモ&パズル まじっく トップへ

直線上に配置