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トゥーラ年代記
第4章
若き王の外交 4
鷹狩
鷹狩は、ラーダとの国境に近いトゥーラの森で行われた。
警備を任された、ランカスター卿には気の毒だったが、
(王宮・国境・鷹狩のすべてに目を光らせ、十分な兵力を割かねば
ならなかった。)おおむね、成功と言えた。
騎士団領側にも目立った行動は見られなかった。
(事があれば、鷹狩は、即、討伐軍に成る手筈だった。)
・・・最も、騎士団領が動くとすれば、大義名分を得る戴冠式以降の
可能性が高いのだが・・・。
・・・目の前に広げた皮羊紙を睨みつける。王宮内に残った騎士と兵力、
及びミレルの側にいる取り巻きのリスト。昨日、スコット卿から届いた資料だ。
・・・ミレルが反乱を起こすとしても、この戦力では、10日と持たんだろう。
ミレル派と目されてる騎士の半分近くは、この鷹狩に参加している。・・・いや、
させられている。
ランカスター卿は、こちら側の人物ではないが、少なくとも国が割れるのは
好ましくない、と、考えているようだ。
国を統べる者としては、むしろ、この機会に反乱を起こして欲しかったのだが、
ミレルを担ごうとしている者たちも、それほど馬鹿ではなかったようだ。
事があるとすれば、むしろ、戴冠式当日だろう。
「別の任務」(注1)に就いていた(笑)兵士たちも無事回収し、そのまま
演習に入る兵を残し、王宮に帰る事にした。
戴冠式まで、後2日。・・・どこまでこの国の、『膿』を出せるだろうか・・・。
注1:『消えた』はずの、使者たちの事。
メッセンジャーの1部が使われたとの噂あり。
次章に続く
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