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トゥーラ年代記

第5章

国を統べる者 3

野望の行方

・・・ん?しめしめ、誰もいないな。料理長の奴、うるさいからな。
『坊ちゃん!、王族でしょう?ちゃんとした時間にお召しください!!』
ってな。
 まったく、18になって、なおかつ戴冠しようって人間に、坊ちゃんは
ねえっつーの。ただでさえ、忙しいってのに、儀式めいたディナーなんか
食ってられるかって。
 ・・・まあ、もっとも、あのうるさいのが居るおかげで、毒殺されずに
いるんだが・・・(苦笑)。

 明かり、明かりっと、・・・ん?なんだこりゃ? テーブルの上に布巾が
伏せてある。めくってみると食べ物と、メモがある・・・。
『リュ−ド様、今日もご夕食を召されませんでしたね。お体に触りますので、
お仕事もほどほどに。〜料理長〜』
 ・・・く〜、人の親切が身にしみるぜ!

「・・・では、あのワインに毒は無いと?」
「左様、後に証拠を残すわけにはいきませんからな」
「では、どうやって・・・」
「厨房ですよ。料理長の説得には失敗したが、すべての料理人が、
頑固なわけではない。」
「しかし、殿下に出す料理は、毒見がなされるのでは?」
「左様、ディナーに出すものは、・・・ですな」
「・・・??」
「殿下は、最近、まともにディナーを召し上がらないようでしてな・・・、
それと、夜中に厨房で、食料が盗まれているそうです。」
「?、・・・しかしそれは、」
「何者が食料を盗んでいるかはわからんが・・・、そのような不届き者は
毒を盛られても仕方が無いでしょうなあ・・・」 くっくっく。




次章に続く


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