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トゥーラ年代記

第6章 密偵の4

人選 1

「おい、シャーク、王宮に顔を出せってよ」
 仕事を終え、疲れた顔で帰ってくると、事務員がエラそーに
言いやがった。
 無言で睨みつけると、視線をはずして、書類を押し出す。
渡された書類には、確かにリュ−さんのサインがある。
「・・・何の用だってんだ?国王さんが・・・」
 メッセンジャーを始めた当初、身近に感じてた
リュ−さんだったが、滅多に会う事も無く、住む世界が違う、
と、封印した思い出だ。・・・まあ、行くだけ行ってみるか・・・。


 久しぶりの休日、しと降る雨の音を聞きながら、居眠りぶっこいてると、
王宮から書簡が届いた。
 ・・・、せっかくの休みなのに〜、引継ぎもちゃんとしたぞ〜と思いつつ、
中を見ると・・・、
『ミユヘ 看護士がいる、ついてはお前に職をやるからさっさと顔を出せ!
      リュード1世』
・・・と、書いてある。
「・・・あの野朗、(怒)、いくらおーさまだって人の休みを奪う権利は無いぞ?!
それにボクは、看護士じゃなくて医者だ!! ・・・、ぜ〜ったい断ってやる!!!」
 ・・・そうとも、断ってやる!、目の前で断って、恥をかかしてやる(ニヤソ)



 ・・・おひ、寝起きで機嫌が悪いのはわかるが、それは、下手すっと死ぬぞ?
良いのか?

・・・と、言った突込みを交えつつ

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