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トゥーラ年代記

第6章の5

街道

「・・・でぇ?、何で街道の真ん中歩いてるわけ?」
「・・・旅をしてるからだ。気が付かなかったか?」
「そ・う・じゃ・な・く・て!! 何で目立つ街道を歩いてるかって
聞いてんの!!」
「・・・、走ったほうが良かったか?」
「が〜!!!」
 嗚呼! またである。朝から何回、繰り返されたであろう。
どうして私がこのような旅に付き合わねば・・・
「ほら〜、ミユがダダこねるから、騎士殿が困っているではないか(^^)」
「いいえ、陛下! 私は決してその様な! ・・・」
「大声を出すな! 大体やべえからコウさんと呼ぶって、決めて
っだろうが!!」
「・・・シャーク、あんたのがうるさい(−−)」
「ぐ・・・」
「まあ良いではないか(^^) 敵もまさか、本物が囮をやってるとは
思わんだろ? これでのんびり・・・、いやいや情報収集に専念できる
ってもんだ(^^)」
「って事は、リュ・・・コウさんよぉ、ちゃんと人数、出してんのか?」
「ああ、スコットのおっさんとこから、腕っこきを6人ほど借りてる。
この騎士殿始め、数人をランカスターのおっさんからも回してもらってるしな。
・・・メインの情報は彼らが集めるさ」
・・・おっさん?! ランカスター卿の、我が上司の事を、おっさん呼ばわり
とは!!、・・・ぐぬぬ、意見を挟めぬわが身が呪わしい。
「じゃーなんであんたが出て来んのさ? 囮なら特急屋にやらせりゃ
いーじゃん(−−)」
「メッセンジャー、だ! 特急屋じゃねえ!」
「あんたが怒ることないでしょ〜?」
「彼は、メッセンジャーの1人だよ。とびっきり優秀な、ね。」
「あ、いや(照れ)」
「ミユだって、俺が看護士って呼ぶと怒るじゃねえか」
「! ったりめえだ!! 医者と看護士じゃ王様と騎士ほど差があるんだ!!
いっしょにするな!!」
う”、・・・怒るなラインハルト、この少女は悪意で言ってるわけではないのだ。
平常心、平常心。・・・それにしても、女は家を守るべきなのに・・・。
「あ”、あんた?!、今、すっごくいや〜んな事、考えたでしょ?!」
「わ、私は、別に、その・・・」
「おーおー、赤くなっちゃって」
「な?! 何を言うか!!」
こやつ! 平民の身で騎士を愚弄するか?!
「そのくらいにしときな、・・・お客さんのようだ」
「え?!」
「む!」
「へえ・・・」
数騎の馬が、街道に現れた・・・そろそろ日も落ちようというのに、
町から出てきたようだ・・・。明らかに普通の旅人じゃない。
 ・・・前途多難だ、この旅は。(溜息)


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