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トゥーラ年代記

第6章の6

騎士連合の罠の1

ミラン城主、ルードヴィッヒの館

「報告します!、リュードと思われる一行を、確認しました!」
「?!、・・・どこでだ?」
「ソラスの西、ダイゼル地方です。明後日には、ミランに入るものと思われます!」
「ソラス・・・、そのものたちの風体は?」
「コウと名乗るものがリーダーで、おん・・・、女性が1、大男1、騎士1、の4名です。」
「大男?」
「はい、メッセンジャーの格好をしていたとか・・・」
「・・・、他に情報は?」
「は?、あ、いえ・・・」
「下がってよし。」
「は?、しかし、リュ・・・」
「斥候も、情報を受け取った士官も、よほど間抜けだったと見える。」
「?」
「君がリュード閣下なら、部下にメッセンジャーを使うか?ましてや、騎士を
連れ歩くなど、大声で触れて歩いてるようなものだ」
「・・・はあ。」
「まだ判らんか?、それはダミーだ、見せしめに殺しても良いが、手練を
選んでいるだろう。無駄な手間を食ってしまう。」
「・・・、それではこの連中は・・・」
「ほおって置け、それより、本物を探す事だ。ダミーを用意したのなら、
必ず、自身が乗り込んでくる!」
「は!!」

室内には、もう士官の姿は無い。
作戦地図を広げたテーブルの前で、ルュードヴィッヒは1人、つぶやいた。
「・・・餌に食いついたか、リュード閣下。・・・果たしていつまで生き長らえるかな?」


次章に続く


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