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トゥーラ年代記

第6章の17

騎士連合の罠の12

 やっとの事で、王宮にたどり着いた、我らがリューさん(笑)
着替える間もなく、対策会議に入る。
 顔つきは、すっかり王様の、それに戻っている。
「状況を説明してくれ軍務卿。皇帝軍は両地方を制圧できた
のか?」
「ロック地方は彼らの制圧下に入りました。ライン地方は、いまだ
土着の民の抵抗が厳しく、手を焼いている様子です。」
「ふむ、・・・我が軍の進軍状況は?」
「国境付近の警備軍は、消耗を避けるため、ハッシ地方まで撤退
させてます。中央部の駐留部隊と合流後、前線に投入するつもり
です」
「うむ、・・・外務卿、その後の進展は?」
「はい、・・・皇帝領から書簡が一つ、届いています。曰く、’トーラ
国王は忙しいだろうから、代わりに掃除をしておく’とか。」
「・・・掃除ねえ(苦笑)」
「騎士団連合からは、5、6通来てます。曰く、’さっさと動け!’です。」
「まあ、それは、ほかしといて・・・」
「ノーラからは2通来てます。」
「2通?」
「はい、曰く、’関係ないから、手を出すな!’’足元に、気をつけろ’
です。」
「・・・、ほう? ノラ公に心配してもらえるとは・・・(苦笑)」
「2通目は、ターガ地方の領主(注1)からですね・・・」
「ふむ・・・、ノーラも一枚岩ではない、か。」
「御意」

「・・・ねえ?、まだ掛かりそう?」
 多少遠慮がちな声が聞こえてきた。ミユである。
「ん? ・・・ああ! 風呂、先に使ってもいいぞ(^^)」
「へ、陛下?!」
 近衛の兵士が目を白黒させる。そりゃそうだろう、王様用の
風呂だ。いくら旅のお供だって、使って良い物じゃない(^^;
「良いではないか(^^) 女性が、こんな状態なのだ。紳士として、
当然の行為ではないか。 ・・・それとも何か? 君は、この私に
紳士にあるまじき行動をしろと?」
「い、いえ! とんでもありません! どうぞお風呂に! ミユ殿!!」
 ・・・直立不動である(笑)
「んじゃ、お言葉に甘えますわ、王様(^^)」
 ミユが答える。そして、口笛を吹きながら、部屋を出て行った。
・・・現金なやつ(^^; 
 それを、憮然とした表情で見送るものが約2名。
我らが、シャークと、ライちゃんである。 ・・・あ”切なそうな溜息が(笑)

「・・・内務卿、反対派の動向は?」
 会議はいつ終わるとも知れず、続いていく。 
・・・シャークとライちゃんの風呂は、当分おあずけのようだ(^^;


注1
 ターガ地方:ノーラの南、騎士団連合と隣接する地方。
豊かな森林資源と、騎士団との通商で、ノーラでも裕福な地帯。
現在は、騎士団連合とのにらみ合いの舞台となっており、戦場に
なる危険性大。


次章に続く


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