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トゥーラ年代記

第7章の2 帝国の終焉

 連合軍が、トゥーラ河に到達した後、神聖帝国皇帝ハンニバルは、
帝国領及び、それに接する国々に当てて、皇帝としての最後の通達を
出した。
 その内容は、有名無実となった、神聖帝国を解体し、新たに
ハンニバル皇帝領として、国を興し、その国主となること、及び、
トゥーラを国として認め、国交を結ぶこと、で、あった。

 この通達によって、事実上、騎士連合はハンニバルの敵となった。
なぜなら、トゥーラの保護領土及び、主権を脅かしている行為は、
(神聖帝国が消えた以上)明らかな他国への内政干渉であり、
正式な国交を結んでいる以上、それはハンニバルへの利敵行為でも
あるからだ。

 この事態に、ノーラがただ指をくわえて、見ているはずが無い。
ノーラは、すぐさまトゥーラと和解、暫定的な不可侵条約を締結し、
ハンニバル皇帝領を国として認め、国交を結ぼうとした。

 無論、ルードビィッヒも、手を拱いていた訳ではない。
北部戦線に離脱した、ウルバスに書簡を送り、危機を知らせる一方、
使者として何人かの騎士を、トゥーラ及びノーラに交渉に送り出した。
 ・・・そして

 2月の有る夜、ルードビィッヒおよび、北部軍の2領主を除く、7人の
領主の内、自分の軍を持ち続けられた人物は、騎士連合内から消え去った。
 ある者は、護衛ともども、切り殺され、ある者は毒を盛られ、またある者は、
護衛に切り殺された。
 領主の忠実な(はずだった)部下達は、自分自身の領土欲の為、
新たな主を求めたのだ。
 無論、忠節に生きる騎士も(少数ながら)いた。が、そのほとんどは
前線の警備か、使者としての役割をになわされ、主たちの近くには
いなかったのだ。

 そして騎士連合は1夜にして瓦解し、ノイン騎士公国の礎が誕生した。
が、その名が語られる前に、北で小さな、そして悲劇的な戦闘が起こる。
 ・・・もっとも、悲劇で無い戦争など、有るはずも無いが。


次章に続く


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