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トゥーラ年代記

第7章の3 命名、ノイン騎士公国

「・・・との知らせから、ウルバス軍は、全滅した模様です。」
「挟撃されたか。・・・惜しい男を無くした。」
「・・・は?」 ランカスター卿が、間の抜けた声をあげる。
あの髭熊男のせいで、恐怖の川くだりをする羽目になったと、
さんざん愚痴っていたのは、目の前の人物、リュード1世
その人ではなかったか。

「・・・あれは、解りやすかった。動かしやすい駒だったのに(−−)」
「・・・陛下(^^;」
「ルーちゃんはどうしてる?」
「竜の盟約の中止通達、及び、トゥーラの国としての承認。
ラーダ領に関する一時停戦要求が来ております」
 報告する声はミレル卿のものだ。
「ん〜、・・・政敵を屠って騎士連合を頂こうって腹か(−−)」
「・・・はい。現在、ノーラと頻繁に、書簡のやり取りを行なっているようです。」
「・・・ダラス領主の処遇か。」
「はい。騎士として、その利敵行為は許せない。ましてや味方を
後方から襲うなどとは・・・、と言ったところでしょう。」
「表向きはな。・・・実際には、2領をノーラにくれてやって、体裁整えて
手打ちってとこだろう。ダラス領主は生け贄だな。」
「ご明察、恐れ入ります。」
「煽てても、私のカリーはやらんぞ?」
「・・・陛下(^^;」

「・・・おや、残念」
 さして残念そうでもない口調で言ったのは、スコット卿。
遅れて参加した為、彼の前にはまだカリーが運ばれていない。
「貴族達の動向は?」
と、これはリュード1世。
「笑えますよ。大いにがんばって、皇帝軍に働きかけてます。
・・・筒抜けですがね(笑)」
「大きくはならんな?」
「御意」

「外務卿、君の意見を聞こう。」
「・・・はい。まず、侵攻を受け、不明瞭なラーダの国境を、
騎士連合資料に基づき、再決定し、守らせること。
次に、騎士連合との間に、国交を樹立し、商業ルートを
構築すること、です。」
「・・・いつの資料を、使うのかね?」
「50年前のものを(注)、・・・わがトゥーラが、正式に国交を交わし、
交易を始めた、記念すべき年のものです。」
「上出来だ(^^) その方向性で行ってくれたまい(ニヤソ)」
「・・・御意」

 ・・・(ニヤソ)って、(^^; 
ミレル卿が心で、突っ込みを入れた時、扉が開き、スコット卿の
カリーが運ばれてきた。・・・1通の書簡とともに。
 心なしか、うれしそ〜な、スコット卿の顔。
彼がカリーをほおばる横で、ミレル卿は書簡に目を通した。
そして、こう継げた。
「・・・、新しい国名の通達書です。」


注:騎士領内の内紛の結果、この時点では、比較的小さな領土と
なっているラーダであるが、50年前は、騎士団領でも1・2を争う、
大きな領土を有していた。


次章に続く


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