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トゥーラ年代記

第7章の 32 護衛家業の2


 護衛4日目、霧で視界が効かない。
トゥーラ河に近いこの地では、珍しくない気象だ。
襲われる危険は少ないが、気は抜けない。
特に、きょろきょろと、何でも珍しがる護衛対象は、
ほっとくと、迷子になりかねない。
さらに霧が濃くなり、前を行く犬っころの背が、霞み始める。
やむなく、休息をとる事にした。
・・・、霧の日は好きじゃない。別れた連れを思い出す。

 護衛5日目、トゥーラ河川の、渡しに着く。
川の向こうは、旧ラーダ領だ。
渡しの横では、架橋工事が進められていた。
こんなに川幅のある所で、本当に橋が出来るのだろうか?
橋が架かれば、商売は盛んになるだろう。
護衛の仕事が、増えるかもしれない。

 護衛6日目、ラーダ着。旧ラーダ領の、首都だ。
トゥーラの王さんの支配がゆるい為、呼び名のほとんどは
昔のままだ。
おかげで、特に治安が悪いという事はない。
護衛家業にとっては、稼ぎにくい土地柄だ。
料金を、吹っかけられない。

宿で飯を食ってると、青瓢箪がやってきた。
学者っぽい、神経質そうな面をしている。
どうやら、ボンボンのお供に付くらしい。
本人も乗り気ではないようだが、逆らえないんだろう。
宮使えは楽じゃねえな。

 青瓢箪は、役人らしい。ディアンと名乗った。
編纂記事がどうとか、抜かしてやがる。
・・・ま、俺にはどうだっていい。厄介なのが、1人増えただけだ。
話の内容からして、こいつもきょろきょろして回りそうだ。
楽なしのぎだと思っていたのに・・・・。先が思いやられる。(−−)


次章に続く


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