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路上

「ひ、卑怯者め!」
 刀を構えた男が叫ぶ
「・・・、あほか?、私闘に卑怯もくそもあるか。
持っとるもん使うて、どこが悪いんや?」
 短めの槍・・・、いや長めの杖か?、を、持っている男が返す。
場所は、路地裏、いわゆる袋小路って奴だ。
 刀の男の左右には、唸ってるのと、気絶してるのが各1名、
服装は3人とも同じだ。道場の帰りってとこだろう。
 ・・・、どっちが卑怯だって?
「き、貴様、我々を十字流と知っての狼藉か?!」
「・・・、(怒)肩あ、ぶつかった言うて来たんは、おんどれやろうが!」
 台詞と同時に突きを繰り出す。最初は眉間に、だがこれは
フェイント、跳ね上げようと大きく剣を振った相手の鳩尾に、
二撃目が突き刺さる。動きを止めた相手に向かって、一歩踏み出し
右から回して手首を、逆手に持ち反対側から即頭部をしたたかに
打ち付ける。
 手から滑り落ちた剣が派手な音を立てた。
練習用の刃を入れてない物の様だ。
 最後の男は声もなく崩れ落ちる。
長獲物の男はイライラが収まらなかったらしく、地面で唸っている
男の股間を思い切り蹴リ飛ばした。
 ・・・かわいそうに、白目剥いてるよ。

 そのままノソリと、表通りに出ようとした男の前に、立ちはだかる
影、1つ。


次章に続く


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