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外伝

路上の2

 ・・・無言で脇をすり抜けようとする、長獲物の男。
だが、立ちふさがった男が、1歩横に踏み出し、通行を妨げる。
「・・・どけ。」
 ぼそりと、長獲物が言う。
「い・や・だ、・・・と、言ったら?」
 唇の端を僅かに吊り上げ、立ちふさがった男が答える。
瞬間! 長獲物の全身から強烈な気が迸る!
 思わず1歩退く、立塞がり男。・・・よく見ると中年の域に達している。
「まあ、そう怒りなさんなって。私としても見過ごすわけにはいかんよ。
街中での武器使用、となるとね。」
「・・・衛視か?てめえ」
「まあ、そんな所、・・・かな?」
 あくまで、マイペースな中年男、・・・こんな強烈な”気”にさらされて、
よく平気なもんだ。
「喧嘩を売ってきたのはあいつらだ、俺じゃねえ」
「なら、なおさらだ。詰め所を嫌がる理由は無いだろう?」
「・・・、俺は余所者だ、ごたごたはごめんだ。」
「3人倒しておいて、それは聞けんなあ。この町にしばらく居る気なら、
おとなしく付いて来い。悪いようにはせんて」
 そう言ってのける、中年男の笑顔は、屈託が無い。
自分が厳しい”気”を向けられている事を、気にもしていないようだ。
 ・・・と、そこに2人の警邏が近づいてきた。
「どうか、したのか?」、「何か、あったか?」
 口々に問い掛けてくる。
 口調はのんびりしているが、手は腰の剣にかかり、動作に隙は無い。
職質は、慣れているらしい。


次章に続く


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