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路上の7

 ・・・くそう!、数が多すぎる!
 予定通り、路地で一人目をしばき回したまでは良かったが、
3〜4人とふんでいた増援が、6〜7人居たところから、
予定が狂い始めた。
 ・・・何とか2人ほど、いわした所で、さらに4人増えやがった!
 この人数は流石に、私でも手に余る。・・・ここは一つ、
・・・転進!
『ア?!逃げやがった?!』
『野郎!、待ちやがれ!!』
 俺は、路地の突き当たりに向かって駆け出し、左右の壁を蹴り、
三角飛びの要領で、屋根の上に、飛び上がった。
 バランスを崩して、手に持っていた昆を取り落とす。
・・・一瞬迷ったが、取りに戻る余裕はない。
連中も、左右の壁を利用して、屋根に上がろうとしてたからだ。
 そのまま脱兎のごとく、屋根の上を走り始める。
・・・階下では、さぞかし、びっくりしてることだろう。
 急な斜面をずれ落ちそうになりながら、次の家に向かって
走っていく。・・・背後に連中の怒号が聞こえ始める。
意外と素早いな。・・・ほんとに騎士の卵か?泥棒の間違いじゃ
ないか?
 自分のことは棚に上げて、そんな考えが胸に浮かぶ。

 しばらく走った所で、地上に飛び降りる。このまま人ごみの中へ
紛れ込み、やつらを、巻くつもりでいた。

 3つ目の角を曲がった所で、見覚えのある人物とぶつかった。
メッセンジャーの派手な制服を着ていやがる。
「うを?! 危ないち”ゃないか!! ちゃんと前を見て・・・って、
お前、ゲオルグ?!」
 間の抜けた台詞だ。意外な場所での再会に、その男は目を
真円に、見開いている。
 今日は、ついてない。・・・って言うか、最悪だ。
・・・選りによってリュードの護衛と鉢合せとは(−−)


次章に続く


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