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5王国ー2

王国暦255年。

 ライースの国王、ブッシャ-が、シン王国との境に軍を駐屯させ、
自由港ラーンへの進軍と駐屯、および調査を要求した。
自国内で頻発した放火の犯人が、この街に逃げ込んだ為、
これを捕捉し、背後関係を調査すると発表したのだ。

 シン王家側では、これを越権行為であるとして拒否、情報を
渡してもらえば、こちらで調査、逮捕すると反論した。
ブッシャ-は、逮捕が迅速に行なわれる可能性が低いとし、これを
拒否。直ちに、5王国会議を開くことを提案した。
そしてその席上で、放火犯の1人を捕まえ自白させた結果、
シン王家に雇われた間者であったと発表した。

 ブッシャ-の狙いは、シン王家の権威を失墜させ、自分が代わりに
5王国の主導権を握る事だった。・・・が、あまりにも見え見えで
強引なその手法に、各国は難色を示した。
中でも、沿岸貿易を発達させ、ラーンの港と密接な関係にあった
フラン王国が強弁に反発し、シン以外の賛成を取り付けるはずだった、
ブッシャ-の予定を大きく狂わす事となった。

 ブッシャ-は、長引き、先の見えない会議に見切りをつけ、会議の
結果を待たずに、ラーン港に進軍、これを占領した。
そして、放火犯の自白を理由とし、そのままシン国全土に進軍。
シンの国王を反逆者に指定し、各領主に逮捕・投降を呼びかけた。

 予定外の暴挙の為、派兵の間に合わなかった5王国の他の国々は、
沈黙を守らざるをえず、周辺各国も今の所は、静観を決め込んでいる。
なぜなら、シンの各領主がほとんど抵抗を見せなかった為、ライース軍は
ほぼ無傷であったからだ。
 しかし、シン国の皇女を頂く残党勢力が、国土発祥の地、シン島に
落ち延び、亡命政権を発足させたとの噂もあり、今後の動向は予断を
許さない。
 5王国が内戦状態に突入すれば、周辺各国の思惑も入り混じり、
南方大陸全土が、戦火に呑まれる可能性もあるからだ。


次章に続く


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