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我を呼ぶ声

第2章 クエストの6

 顎をしゃくって、終わりを宣言する男。
そのターンエンドに、私は、蛮族目掛けて禁呪を放った。
私『我が望みしは、敵の撲滅! 焼き尽くせ! 炎熱の突風!!』
 男の瞳が、驚愕に見開かれる。
白の族から、火呪を撃ち込まれるとは、思ってもなかったのだろう。
 ・・・だが、対象になった蛮族の動きは、速かった。
 奴は、男から呪符を引っ手繰ると、それを握りつぶし、あふれ出るマナで、己の肉体を強化したのだ。
 !! ・・・驚いた。’マナ’を食う生物は、アンテロープだけではないのか・・・。

 気を取り直し、私は再び、エイブンの戦士を呼んだ。
私『歴戦のエイブンよ! 我が声に答えよ!!』
 光がはじけ、エイブンが姿を現す。
彼はおもむろに、腕を吊っていた布を取り、にやり、と、笑って見せた。
 ・・・奴の残り手札が、気になる。
次からの攻撃に掛け、終わりを宣言した。

第9ターン

 男は山と契約し、おもむろに召喚に入った。
男「火獣よ! その牙を血で拭え! 我が敵は汝が敵!!」
 全身に、焔をまとった獣が現れた。
その口から放たれた炎が、私を襲う!
 ・・・私の生命点は、12に減った。

 私が引いたのは、再び、エイブンを呼ぶ呪符だった。

 ここまでは、呪符を失する事が無いよう、戦ってきた。
・・・が、死ねばすべてが、無に帰する。
選択の余地は、無い。
 私は、無帰呪(フラッシュバック)を唱える決意を固め、全てのマナを消費し、エイブンを呼び出した。
私『群れるものよ! 我が声に答えよ!』
 エイブンの群れが、私の前に現れる。
これで、私の使用出来る、’マナ’は無い。
 終わりを宣言し、男の攻撃に備えた。

次章に続く





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