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我を呼ぶ声
第2章 クエストの9
焔の儀式が始まった。
それは、手順を決められた、決闘であった。
崖の下の広場で、親子によって繰り広げられる決闘。
・・・この場所は、儀式のために、広げてあるらしい。
上のテラスに、視線を投げつつ、2人の神官は、焔を操る。
儀式が進むにつれ、不安そうに、ひっきりなしに聞こえていた
崖の上の声が、安心したように、徐々に間隔をあけ始める。
それと共に、ランディの息が荒くなっていく。
彼の体力で、この長丁場は、きついのだろう。
不安そうに、うろうろする白の若者を、キっと睨み付け、
彼は、額の汗を拭った。
・・・、がんばるねぇ(^^
「・・・我が用いしは、ギトゥの焔!!」
巨大な火焔が、子から父へ放たれる!
爆焔に飲み込まれる、父親。
・・・儀式は、終了したようだ。
倒れこむランディに、白の若者が、心配そうに駆け寄る。
・・・ほんと、お人好しだこと(^^;
そっちは、若者に任せ、私は、男の方に向った。
焔と、煙が薄れると、男が、ふらつく足取りで、出てきた。
『・・・無事か?』
「まったく、・・・と、言うわけにはいかんがな」
答える男の視線の先には、若者の手を撥ね退け、
自力で立とうとするランディがいた。
その姿を、誇らしげな笑みを浮かべてみている。
「・・・父う、・・え」
荒い息の下から、搾り出すように、言葉をつむぐランディ。
「よくやった、ランディ。・・・私は、お前を誇りに思う。」
男は、特上の笑みを浮かべ、続ける。
「次代を担う焔の神官よ。我らが守護者の巣立ちを、
その手で成せ!」
「は、・・・はい!」
しばらく迷った後、ランディは、若者に声を掛けた。
「・・・さ、さっきは・・・ありがとう。
・・・良かったら、崖を上るのを、手伝って欲しい。」
耳まで、真っ赤になったランディを、きょとんとした表情で
見続ける若者。
ランディが、「・・・もういい!」と、叫ぶのと、私の
「そりゃ、いいや(^^)」と、言う台詞がかぶった。
う”(^^; ・・気まずい沈黙の中、男の台詞が、
場を救った。
「良い考えだ。客人たちにも、最後まで参加してもらいましょう。」
・・・あ”?! ・・・たち? ・・・俺もかよ(ーー)
次章に続く。
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