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我を呼ぶ声

第2章 クエストの10

 月明かりの元、黙々と岩壁を登る。
夕暮れ時よりはマシなものの、・・・ふぅ(−−)
本来なら、もう火をおこし、燻製肉をあぶっている頃合だ(ーー)
 まったく白の若者の、お人好し加減と来たら・・・
私『うお?!』
 考え事をしていた為、足元を疎かにしてしまった。
うっかり岩を踏み外したようだ。・・・やばいっ!
結構登ってきている。ここから落ちたら、無事では済まない!

 ・・・ガシっ! 背中を、力強い何かに掴まれ、地面とキスすることは、
せずに済んだ。
ほっとする間もなく、凄い力で、崖の上に引き上げられる。
 ?! ・・・私の視界いっぱいに、2つの大きな目が見える。
縦に細く開いた瞳孔と、黄色がかった水晶体、・・・そして、その下の
巨大な嘴。・・・ドラゴン?!

 予想はしていたが、それで驚きを押えれるか?と、聞かれれば、答えはノー、だ。
固まったままテラスに下ろされた俺は、登ってきた親子に、目で訴えた。
説明してくれ、と。

 なんでも、先年、この領域の竜主が消え、竜卵が残されていたそうだ。
そこで、古からの作法にのっとり、焔の儀式で、孵化させたらしい。
今日の儀式が仕上げだったので、我々を’ハンター’と思い駆逐しようとしたそうだ。

 これで、この領域の竜主は復活した。もう、ハンターに脅える事も無いだろう。
聞けば、竜主の交代は毎回行われる訳ではなく、数代に一度、
行なわれる程度らしい。おそらくこの時代にそれを見る機会は、
ランディが、弟子へ伝達する時を除き、2度と無いだろう。
 我々は、貴重な経験をした訳だ。



うんちく:ハンターとは?

 ハンターと、名乗っちゃいるが、その実態は泥棒だ。
奴らは、珍しい動物、戦力になりそうな魔獣をその巣から盗み出す。
そして、それを売るのを生業としているのだ。
 呪符を求めて、白の国を襲った、あの戦闘魔道士と、同列の下衆野郎達・・・。

 ・・・ま、俺も人の事は言えん。一般人から見ると、魔道士も、ハンターも
獣使いも、似たようなものだからだ(−−)
 違いは、魔道士は、呪符によって、契約し召喚する。
一方、獣使いは、ハンターから買い取った魔獣を、育て、自分の道具として
使役する。・・・その程度だ。
 ハンターが、獣使いを兼ねてるのも、良くある話だ。奴らにとっては、
魔獣は、奴隷か使い勝手の悪い、・・・しかし便利な道具、程度の認識だ。
とうぜん、神官どもと、仲が良い筈は無い。
 トレジャー・ハンターと、考古学者って所かな?
どっちも、うざい事に、変わりは無いが(−−)


次章に続く。

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