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我を呼ぶ声

第2章 クエストの11

 竜主の巣立ちを、見送ったあと、我々は、再び、探索を再開した。
巣立った竜主は、、『イーター・ザ・ワールド』では無かったからだ。
 神官親子の話では、山頂近く、ちょうどここから、山の反対側にあたる
部分に、それらしい竜主が居るらしい。
ほかにこれといった当ても無いので、そこを目指して、登ることにした。

 昨日、再び広場に下りて、焔の親子と、1夜を明かした。
神官、・・・いや、元神官が、言葉少なく語った所によると、
彼もまた、この世界に召喚された一人らしい。
 その時の危機については、笑って答えなかったが、彼は、元の世界に
帰ることを選ばなかったようだ。
理由を尋ねると、彼はこう答えた。
 秤にかけた結果、こちらが重かっただけだ、と。
どちらも戦争をしてたしね、とも。

 いろいろな話をした、世の中の事、(彼がここに来てからの)歴史、
ちょっとした、サバイバルの知恵、私の(向こうでの)生活・・・。
 明け方、彼がふっと、思い出したように聞いた。
ベトナムは、・・・どちらが勝ったのか?と。
聞いてどうする? 帰るのか? と、答えた私に、
彼は、ただ苦笑いを、浮かべるだけだった。

 親子に礼を言い、我々は出発する事にした。
彼らから聞いた話では、白の族を攻めたのは、1部の者達で、
赤の国の総意ではないらしい。

 ・・・まだ交渉の余地は、ある、って事か。
めっちゃ、きついだろーがな(−−)

・・・ま、俺の仕事じゃねぇし、気楽に行くか!


次章に続く。

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