直線上に配置

トップ物語

我を呼ぶ声


第2章 クエストの14

 素早く’地’と、契約をした俺は、男達に向って、続けざまに
速呪を放った。
 対竜主用に、用意をしていた物だ。十分な時間を掛けて、
デッキのトップに積み込んである。・・・本来のMTGでは禁じ手だが、
生死の掛かった、竜主戦で、そんなルールを守るつもりはなかった。

 ・・・男達相手でも、だ。抵抗力の弱い幼生体に、重症をおわせ
囮に使うような輩に、竜主以上の慈悲を掛ける気はない。
 大方、ハンター崩れの、野盗どもだろう。
殺した方が世の中の為ってもんだ。

『雷精よ! その力を現出せよ! 我が敵は汝が敵!』
 焔の神官に教わった禁呪を、至近距離から撃ち込む。
ニックに肉迫した男は、刃に電撃を受け、硬直した。
その隙に、ニックは盾を構えて、後退する。

 もう一人が、曲刀を振りかぶり、打ち込んで来る。
が、ニックの盾に軌道をそらされた。
 その間に、私は2つ目の’地’と契約し、更に禁呪を放った。
『焔よ! 汝の敵に、裁きの鉄槌を!』
 空中に、燃える焔を纏った鉄槌が、現れる。
鉄槌は、唸りを上げて回転し、男の頭上から、急降下した。
・・・1人目終了。

「gagurrrr」
 苦しそうな声が聞こえた。斜面を見ると、竜主の体に二本の
矢が刺さっている。・・・大きな矢だ。丸太と言っても過言じゃない。
 竜主は焔を吐くのを躊躇っている様だ。
幼生体を巻き込むのを避けようとしているのだろう。
 クロスボウの位置は、巧妙に計算されているらしく、
竜主が、人間のみを焼こうとすれば、大きく回りこむ必要があるようだった。


次章に続く。



プラモ&パズル まじっく トップへ

直線上に配置