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我を呼ぶ声


第2章 クエストの15


 竜主は、幼生体を助ける事に、したようだ。
その場所を大きく避け、回り込もうとしている。
・・・が、体に刺さった矢の端が、地面につっかえ、
うまく移動できない。
 矢が体を抉るのだろう、そのたびに、苦しそうな
うめき声を上げている。

 少しずつ、少しずつ、左へ回り込む竜主の体。
と、その前面の茂みから、何かの群れが飛び出してきた!
 ゴブリンだ! 臆病で、自分より大きな獲物を襲う事は、
めったに無い彼らがどうして?! ・・・獣使いか。
’ガキン!’
 金属音に我に帰る。音の方向に振り向くと、
ニックの盾と、男の剣が、激しくぶつかり合っていた。

私『炎よ! 稲妻と成りて敵を打て! 我が望みしは、敵の焼滅!!』
 男が顔面に、焔弾を喰らい、大きくのけぞる。
隙だらけになった男に、ニックが盾ごと、体当たりをかける。
盾と崖でサンドイッチになった男は、そのまま崩れ落ちた。

 気絶した男には目もくれず、ニックは崖下に走り出した。
大方、竜主に肩入れする気だろう。・・・お人好しめ!
 俺は、男に近づき、股間を目いっぱい蹴り付けた。
男の体が、ビクンっと、跳ねる。
 念のため鳩尾も蹴り上げ、更に、最初に倒した男にも、
同様の、’処置’をした。

 ごうっと、言う音と熱の感覚に、崖下を振り向く。
竜主が、纏わり付くゴブリンに、剛を煮やし、焔を浴びせたのだ。
 ニックは崖の中間で立ち止まっている。焔の熱で近づけないようだ。
それでも、焔をくぐり抜けた5〜6匹のゴブリンが、竜主の体に取り付き、
刺さった矢を揺らして、竜主を攻めていた。


次章に続く。



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