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我を呼ぶ声
第2章 クエストの17
炎の向こうに、逃げ惑う射手達が見えた。
ここで逃がしては、後々厄介だ。
私は、連中の動きを、封じておく事にした。
私『天界の使者よ、傷つき疲れたるものに、平和を!
かの者を、戦場より遠ざけよ!!』
逃げ出そうとしていた射手の一人が、ボーっとした
表情で立ち尽くす。
同時に、小鬼どもが、わらわらと逃げ始める。
獣使いの精神集中が、途切れたのだろう。
背中を向けて、走り出そうとした獣使いは、次の瞬間
小鬼ともども、松明と化していた。
竜主の仕業だ。
おおかた、’待て!’とでも、声を掛けたのだろう。
焔も同時に、掛けたようだが・・・。
ようやく狙いの定まったニックが、竜主と幼生体に
治癒呪文を唱える。
竜主の体から、矢が徐々に押し出され、乾いた音を
立てて、地面に落ちた。
竜主は振り向き、ニックを凝視した後、再び向きを変え、
炎に向けて羽ばたき、突風を吹きつけ、火を消した。
2人いた射手の内、もう一人の姿が見えない。
・・・逃がしたか? と、思った矢先、そいつは竜主に
咥えられ、森から出てきた。
先ほど森を焼いたのは、この竜主の焔か・・・。
1つの縄張りに、3対の竜主。
・・・やれやれだ。また戦闘かよ(−−)
次章に続く。
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