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我を呼ぶ声

第2章 クエストの18

「fuuguuuu」この地の所有竜主が、威嚇の声をあげる。
 第3の竜主は、咥えていた射手を落とし、落ち着いた声で返答を
返した。
 数回のやり取りの後、私の頭に突然’声’が響いた。

’立猿どもよ、幼生体への助力、礼を言おう。・・・が、わが領域を
犯した無礼、許し難い。
 そこにいる竜主が、お前らを見知ってなければ、殺している所だ。
・・・早々に立ち去れぃ!!’

 ・・・なに? 我々を知っている竜主?
「agyaoooo」甲高い声と共に、頭に声が響く。
’巣立ちを手伝ってくれてありがとう、ニンゲン^^ 所有者と話は
ついた。出て行こう。ここは彼の領地だ。’


「・・・話せるなら、あの時言ってくれればよかったのに」
 そう愚痴った私に、足元から答えが響く。
’そういうな、ニンゲン(^^; 他種族との会話は、疲れるんダ
あの時は、初飛行でクタクタだったんダ’

 信じられないほどの幸運を、今、私は味わっている。
竜主の背に乗って飛行しているのだ。
 わが故郷では有り得ないし、この世界でも、限られた人物しか
味わった事の無い栄誉だ。
 私以外で、この栄誉を賜った人物達は皆、英雄と呼ばれている。
・・・いや、呼ばれていた。すでに数百年も前、伝承の中の出来事だ。
 この時代に、この幸運を味わえるのは、・・・・・・・もう1人いた。
リックだ。
 さっきから、体を乗り出し右・左と、急がしそうに見回している。
珍しいのは判るが、そんなに動いては・・・
’ニンゲン! もう少し、しづかにしロ! トビヅライ><!’
 ・・・ほらな(^^;

 しよげ返り、身を縮こませて固まるリック。その気配が伝わったのだろう。
再び竜主が声を掛けてくる。
’ゆっくりみまわせばイイヨ^^ ニンゲン^^ ところで、どこえいくきダッタ?’
 私は、『イーター・ザ・ワールド』を探している事と、その理由を簡単に話した。
’わかた、 呑世竜主がいるかドウカわからないけど、つれてイテヤル^^’
 ・・・旅の遅れは、十二分に取り返せそうだった。


次章に続く。

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