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我を呼ぶ声


第3章 藍の5

第3ターン
 引いたのは’地’。順調だ、すぐさま契約を交わす。
私『平地よ、我が下に来たれ!』
 呼べる兵駒がいなかった為、防御用に兵士を残し、猟犬のみで
アタックさせた。
 男は少し迷い、その攻撃を自身で受けた。
・・・ほう? 何か策でも在るのか?
 いぶかしみながら、ターンをエンドする。

 男は、今引き当てたらしい、’地’と契約をした。
男『沼澤よ、闇に愛でられし、邪黒の聖地よ。古よりの盟約に従い、
我に黒き’マナ’を与えよ!』
 ! ・・・黒き属の使徒!
現出した沼を満足げに見つめ、男は召喚に入った。
男『黒き力に、染まりし者よ。その血塗られた手を主にささげよ!』
 出てきたのは、黒い小鬼だった。・・・黒属性のゴブリン?
男は不敵な笑みを浮かべ、終わりを宣言した。

第4ターン
 引いたのは、禁呪。・・・良い引きだ。
地がもう1つあれば、言うことは無い。が、それは贅沢という物だろう。
 男の手札は5枚、使用可能な’マナ’は、山1つ分。
・・・、禁呪を打ち込まれる可能性は、十分ありえる。
しかし、いや、それならばなおの事、攻撃しなければならない。
 禁呪を、男が所持しているなら、守勢に回った方が不利になるからだ。
私は、兵駒に、全力攻撃を命じた。

 兵士が黒い小鬼を挑発する。小鬼は挑発に乗り、兵士の前に立ち
はだかった。
猟犬の前には、召喚酔いの解けた赤い小鬼が立ちはだかる。
 今度は男も、自分でその牙を受ける気は無いらしい。
・・・ここまでは予定通りだ。

 私は、呪符をおもむろに、猟犬の為に消費した。
彼の特異な能力を、使う気になったのだ。
 これまで使う機会が無かったが、この猟犬も、必要に迫られれば
’マナ’を食う。
そして、他の者より俊敏に、動いて見せるのだ。

 男の目がわずかに見開かれた。やや間を置いて、無言で黒小鬼に
合図をする。
黒小鬼はニタリと笑い、背後から赤い小鬼の首を切り飛ばした!
 目標を失った、猟犬の牙は空を切り、ガチッと音を立てる。
黒小鬼は、切りとった頭を抱え、愉悦の表情を浮かべた。

 直後に、兵士のハンマーと、黒小鬼の剣が交差する。
確かに、黒小鬼を砕いたと見えたハンマーは、しかし、その腕に
掴まれた、物言わぬ頭を砕いていた。
 小鬼の血を吸った剣で胸を貫かれ、その場に崩れ落ちる兵士。
・・・驚いた。同胞を犠牲にして生き残るのか、黒属性の小鬼は。
 生かしておいては、厄介だ。私は、手札の禁呪を、黒小鬼に向けて
撃ち込んだ。
私『雷精よ! その力を現出せよ! 我が敵は汝が敵!』
 男の顔に、はっきりと、驚きの表情が浮かぶ。
私は少し、男をからかってみる事にした。
私「・・・ゴキブリは、さっさと殺しとかないと、うざいんでな。」
 男の表情が、怒りに変わるより早く、やんやの大喝采が、湧き上がった。
・・・見世物になってるのを、忘れていた(−−)

生命点
私:20 男:17


次章に続く。


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