第2章 クエストの3 大声で呼ばわった男は、松明を持ってはいない。 松明を掲げていたのは、その隣にいる人物だ。 やや小柄で、まだ少年のようにも見える。 彼は、松明を岩の割れ目に刺しこみ、懐から呪符を出そうとした。 その動きを見て、白の族の若者も身構える! ・・・おいおい、こんな所で派手にやっちゃ、袋の鼠だっての(−−) 私「・・・2対2か。わざわざ総力戦をすることもないだろう。俺と、あんた、タイマンでどうだ?」 私は、リーダー格らしい男に向かって言った。 男「・・・フン、自信過剰な鼠だ。・・・良かろう! ランディ、下がっていなさい」 セリフの後半は、少年に向けてのようだ。 少年は、悔しそうに男を見上げていたが、聞こえないのか?と、念押しされ、しぶしぶ後方に下がった。 それを見届け、私も若者に下がるよう、手で合図をする。 若者が下がったのを合図に、男は呪符を浮かべ、召喚に入った! 男「山よ! わが呼びかけに答えよ!」 簡易呪文だ。1度召喚し、契約を終えていれば、次からは呼びかけ程度の呪文で、対象と再契約が出来る。 ・・・だが、私も、ただ時を過ごしてきたわけではない。 白の里で、契約可能な対象意識には、すべて呼びかけ、首尾よく、契約を済ましている。 私「平地よ、我が下に来たれ!」 ・・・さあ、決闘の開始だ! 次章に続く |