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戦国伝

第2章 追撃

 緒戦から1ヶ月が過ぎ、戦後処理も、大方の目処が立った。
1万を越す軍を散らした事で、敵の戦力は疲弊している。
この機に乗じ、敵同盟国ライ・スワンプを攻める事となった。

 わが国は、南北に長く、北及び西を海、東の上部を、ライ・スワンプ、
下部をフォー・マウント(前回攻めた国)に接する形となっている。
 地形の関係で、進軍に使えるルートは、ライ・スワンプの地方都市、
ロク・マインに通じる街道か、フォー・マウントのライ・サモンに通じる
道しかない。
ライ・スワンプの本国が、防備を固める前に、私自ら指揮をとり、
兵6千を率いて、ロク・マインに攻め込んだ。

 国境の川を渡った所で、斥候がもたらした情報によれば、
敵兵はおよそ5千、城主ローナ・ゼクは、城を出て迎え撃つ気らしい。
 間抜けな事に、平地に陣を敷いていると言う。
・・・、この戦国の世に、先の読めぬ武将なぞ、要らぬ! 
攻め滅ぼしてくれるわ!!

 2日目、しのつく雨の中、街道を外れ、平原を一気に距離を詰める。
もう少し、という所で、斥候から重大な知らせが届いた!
敵に増援の兵あり、その数5千!との事である。
 援軍は、ライ・スワンプの東に国境を接する、リバー・ブラグの兵らしい。
武将は、ポーセス・ハウト、敵本陣の向かって右に陣を構えている。

 我が軍を、手前左の山腹に移動させ、敵の出方を待つ。
・・・呆れた事に、ポーセスめは功を焦り、我が軍にまともに突っ込んで
きた!
 兵も、武将も、練度は高くないようだ。それは、本陣のロウ・セクトも
同じらしい。
 我が軍の背後を突くでもなく、悠然と構えている。・・・無能者め!
兵の損失は覚悟せねばならぬが、・・・この戦、勝てる!

 ポーセスは、相変わらず、山下から攻めてくる。・・・馬鹿が!
おのれの面子と、兵の命を天秤に掛けるか?!
・・・さすがに兵が1千を切った辺りで、リバー・ブラグへ、逃げ帰りおった。
あとは、本陣の守備軍のみ!

 3日目の夜明けとともに、平地の敵本陣に切りかかる!
敵陣からは、目立った反撃は無い。どうやら、かなり士気が低下して
いるようだ。
 午後には、総崩れの状態となり、蜘蛛の子を散らすように、敗走して
いった。
 城に逃げ帰った兵は、数百ほど、篭城の構えを見せている。
防備の固い、良い城だ。・・・最初から、篭城をされれば、苦戦を
強いられたであろう。

 4日目、城の前まで、軍を進め、無駄とは思いつつ、降伏を勧告する。
予想どうり、これは拒絶される。使者の口上に寄れば、兵、民共に、
士気高く、最後の1兵まで、戦い抜くとの事。・・・愚かな。
 兵の犠牲を考え、しばし悩む。・・・が、今後の為にも、落城を優先させる!
・・・城攻めを開始すると、また雨が降ってきた。・・・天が泣いているのか?

5日目、敵守備兵が、百を切った所で、脱出しようとした敵の武将を
2名捕らえた。
 他にも何名か脱出をしたらしい。・・・匹夫め!何が、”士気高く”だ!!
指揮者を失った敵守備兵は、まもなく降伏した。

 城の中庭で陣を構え、私の前に、捕らえた武将を引き出させる。
なんと、この2名は、命乞いを始めた!・・・なさけない、死んだ兵に
どう詫びるつもりか!!
 黄泉国へ、叩き落してやろうか、とも思ったが、今後の政略を考え、
あえて生かし、そのまま、1将軍として、使う事とした。

 戦後処理をしている所へ、シーン・キャピュタが、ノス・アティカルに
攻め込まれた! との、報が入る。
 はるか北東に位置し、わが国には直接の影響は無い、が、数国を
傘下に入れている、ノス・アティカルの動向は、気になる所だ。
 報告によれば、ノス・アティカルの武将、アベニー・デンは、1万を超える
軍を任され、力攻めで、攻め込んだ挙句、その大半を失ったそうだ。
・・・無能者め!
 かような支配者を生かしておけば、民の苦しみは増すばかりだ!!
待っておれ、ノスの支配者ども!その首、我が貰い受ける!!


次章に続く


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